SMの鞭は只の道具ではない
SMのあるイベントで、女王様が持参した一本鞭が何者かに盗まれてしまった。そんな話を後日聞いた。使い慣れたお気に入りの鞭だったので、とても悔しがっていたようだが、盗ったファンの人はどうしてもその鞭が欲しかったのかもしれない。美しく、スタイル抜群のその女王様は、アイドル的存在で、鞭マニアとしても有名。マニアの仕業だから多分戻ってくることは無いだろう。
「大事な物を置きっぱなしにした私も悪いの」と言っているそうだが、悔しさが伝わってくる。長年、仕事やプライベートで使ってきた鞭には、打った自分だけでなく、打たれた奴隷たちの気持ちや想い出が詰まっている。血と汗と涙の結晶だったはずだ。革製の鞭は最初は硬く、使っていくうちに段々柔らかくなって、使いやすくなっていく。手に馴染むようになるには、多くの時間がかかるのだ。
特に一本鞭は上手く打てるようになるまでに時間がかかり、人に打ってこそ馴染んで来るので、思い入れが深くなるのも当然だ。打った時の衝撃も大きく、相手の身体にも大きな痕が残る。打てばすぐにミミズバレになり、皮膚が切れれば、血がにじんでくるので痕が残る。それでも奴隷は女王様の鞭に耐える。
そんな鞭が盗まれてしまうということは大変残念なことで、すぐに新しい鞭を購入したと言っていたが、また新しい歴史をそこから作っていかなければならないのだ。